新卒でハウスメーカーにCADオペレーターとプレゼン作成で勤めていた頃。先輩に「口紅だけでも塗りなさい」って言われました。
当時は服にこだわることはあっても化粧はしたくない。することが不自然と思って抵抗があるし、ヤル気がないのに言われてやるのはすごくイヤでした(;一_一)
母は自然化粧品の販売をしていて、「若いうちは化粧をする必要ない」と言っていました。でも、唇の色が良くないから口紅だけしなさいと。それでずーっと、化粧といったら口紅だけでした。
◆◆◆
時は流れ、クロスやカーテンを扱う内装会社に事務で勤めていた頃。
その頃は少しは化粧をするようになっていたんですが、普段はやはり口紅だけ。化粧について特に指摘されたことは無く・・ただ社長の方針が「コーディネーターはスカーフとマニキュア必須」で、「事務もマニキュアだけはしろ」。
それで短い爪にパステルグリーンのマニキュアをしてトップコートも塗らずに会社に行ったら、コーディネーターに「そら豆みたい」と言われました(・∀・)社長にそのことを告げたら一言、「がんばれ」と言われました。でもそれ以降、結局マニキュアはせず、あきらめたのか何も言われませんでした。
何かその「そら豆」に、自分はそういうナチュラルの枠を超えて女性らしく飾るのがイヤです、というアピールを込めていた部分はありました。
その後その社長の指示で、奥様が私にメイクを施してくださったことがありました。(ということはやはり気にはされてたということですね・・)
「私のやり方だけど~」と奥様に白いファンデを厚めに塗られ、肌に息苦しさを感じながらアイラインと黒々としたマスカラを盛られ、いわゆる当時のバッチリメイク?仕上がった顔を見て社長の小学生の息子さんが、うつむきながらつぶやきました。「・・・お姉ちゃんきれい」
…いい子ですね。というか社交辞令?!?分かりませんが(笑)
社長の奥様は常にバッチリメイクで綺麗にされています。自宅兼会社のビル内を行き来して家エリアでもずっと。そんな環境が息子さんの好みも作り上げているのかなあと思いました。「メイク好き一家」…濃い… ( ^ ^; )
その、、肌にのせている時と落とすときの負担がですね・・もう少し軽いといいと思ったんです。こういう職種なのでメイク自体は制服の一部という側面はあるわけで、社長はしつこく押し付ける訳ではなく、「変わらないかな~」と働きかけて下さった感じです。軽めでもいいからフルメイクにするのを期待されていたんだろうなと思います。
◆◆◆
また時は流れ、東京に出てきていたある時。
「ナチュラルメイク講座」みたいなのを発見して受けたのですが。
ナチュラルと聞いてそこでイメージしたのは、薄付で負担感がなくてカバーすべきところはカバーして好感度UP、自然にうっすら華やぎをプラスしてくれるような、そんな感じ?…で、受けてみて分かったのは、そこのナチュラルメイクは「ナチュラルに見えるメイク」だということでした。
実演モデルに選ばれてしまい始まると、コンシーラーたっぷり下地もたっぷり!ファンデはこれでもかとたたき込み、でも色味には気を使って首との違いは無いようにする(←ココが?)そして最終的にけっこう華やかな口紅と、上げた睫毛にマスカラもMAXぐらい盛られました。あれっ・・ナチュラルってなんだろう・・?なんか、仮面をつけてるみたい・・・
その日は叶恭子さん風に造られた顔に不似合いなカジュアルな私服。電車に乗って帰るの恥ずかしかったです(@_@;)
◆◆◆
ここまでで、結局薄化粧派なのか?というと、実はそうと決まってるわけではないです。普通にTPOには合わせたいし、絵を描くみたいに顔をキャンバスにして赤っぽいマスカラにしてみたり、そういうのは好きです。なりたいイメージを表現しようとか追及しようとかいうのはある・・だからこそ人にしてもらうんじゃなくて自分で研究しないとしっくりこないですよね。
ただし、基礎化粧品やファンデは化学物質や石油由来の成分が入っていると肌に負担を感じるので、そこはできるだけナチュラルなものにこだわります。メイクが濃目でも薄目でも、ポイントは肌に負担がないかどうか、です。
◆◆◆
化粧に目覚めるかはその人のタイミングだと思うので、基本的には放っておいてほしい・・ただ、目覚めるまでの間、身だしなみとして化粧をするという考え方が受け入れられなかった。今にして思うと、なんでそこまでイヤ?と思いますが、考えてみれば・・・「会社勤め」、したくなかったんです・・・本当は、最初から、ずーっと。
そこの根底が後ろ向きだったから、気持ちが開かなかったのかな。身だしなみって人や社会に対する礼儀なんでしょうけど、自分自身がうまくいってないとそういう気持ちが持てないというか(人としてアレだけど)。もっと掘り下げると人生に対する前向き度であって、そりゃあしたいこと出来なくて外に出たくなくて人にも会いたくなくて生活に意欲が持てなくてただ生きてるだけなら身だしなみは要りません。うーん思ったより根が深かった。。普通の人は「でも身だしなみはするでしょ」と思うかもしれないけど、無理にしようとすると、こんなことして何になる?という気持ちが湧いて悲しくなって、その感情を無視はできないけど理由が分からないからいつまでも対処できない。こんな風にうまく折り合えませんが、そこは不器用だったり、オールオアナッシングだったり、自分の弱いところだったりするんだろうと。
化粧に目覚めたきっかけはリアルな恋愛によってだったので、それが扉だったんだな・・と思います。もっというと、結婚したい人。突き詰めると私にとって化粧とは「結婚したい人が出来たらするもの」だったらしい・・・;つД`)
なんとなく、自分は職場結婚がいいと思いつつ、でもいつも「ここじゃない」と思ってきました。だから化粧したくなかったのか?・・・「目から鱗」じゃないですけど、自分のことってなかなか気づけないというか。でもどこかでは分かってて向き合えてなかった気がします。今言ってる化粧は、自己表現のための化粧ではなく、もちろん制服的な意味の化粧でもなく、身だしなみを含めた「女性らしさ」を意識した化粧です。自己表現は化粧以外で色々やってきて、それで前向きになれるし人生を維持できる。でもそれだけだと「何かが足りない・・」「何かを忘れている気がする・・」と思ってしまうんですよね。
そんな訳で最近は女性らしいと感じる化粧…ファンデの工夫に興味を持ったり、メイクの動画を見ることもあります(見るだけだけど)。自分はちょっと感覚か脳の働きが男寄りなところがあって、それで化粧に興味がないのかな?と思っていたんですが、いろんな経験や刺激を受けつつ、一生かけて女性になっていくということなのかもしれないですね・・・(/・ω・)/